小 樽・・1

 

札幌の夜が明けて、さて。今日は、あの運河にであえるのだと妙に嬉しくて、

ルンルンルン ♪♪ と鼻歌を歌いながら、仕度を始めた。

リュックから、タクシーのチケット、飛行機のチケットを出そうとしたら・・・。

ない・ナイ・無い・無い!!!!

「ええーーチケットが無いーーー」

ドッキン・・ドッキン・一体どうして、確かに、ここへ入れたのに、日日別にして、

確かに・・入れたのに。。肩から下げるバッグをみてもない。

「ドウシヨウ―ーー」・・「ねっチケットが無いの、おいきてしまったかも・・・」

夫さんは、いとも簡単に、「あっそう」

「あっそうじゃないわよ、大変なことなのよ」

・・・と自分のミスが、いらだたしくて、つい強い口調で言ってしまった。

「しょがないよ〜」

そうか・・・しょうがないかあ・・打つ手立ては。何かあるだろう。

絶対に落としてはいないはず。。そう・・・そのはず・・・・。

フロントへ相談すると。

「ツーリストと連絡してみます。もう、お出かけのお時間でしょうから、

携帯へ連絡入れます、心配ないですよ」と言われた。

予約したタクシーの運転手さんに「すみませんチケット忘れてしまって・・・」と

ショボンと、チョットお目目ウルウルで伝えると・・

「無くすと換金される恐れがあるけれど忘れたんじゃ大丈夫ですよ。

後でチケット貰えばいいのだから、さあ、元気出していきましょう」と

明るく言われてしまった。

「とりあえず、道庁と時計台をみて小樽へ行きましょう」元気なのは、

運転手のMさんばかり。どうにも、気持ちが沈んでしまう。

 

北海道庁旧本庁舎は、

アメリカ風ネオ・バロック

様式の美しい赤レンガ造りの建物で、必ず

写真におさめられる所。内部を見学できた

けれど、今ひとつ気持ちが乗ってこなくて

五陵星も良く見えなくて・・今、思えば

ね、入って、みて置けばよかった。。

 

「じゃ小樽へ向かいましょう」 と車は小樽へ向かった。ぼけーーっとチケットのことばかり

考えている私を見て。M運転手さんが言いました。

「お客さん・・結構いますよう〜チケット忘れる人」

「そうですかア・だってこんなこと初めてだし、もう自分に腹が立ってしまって」

「だって忘れちゃったものしょうがないよう〜、それよりね。楽しみましょうよ」

あまりに、運転手さんに気を使わせてしまったことに・・やっと私は気がつきました。

そしたら、携帯が鳴った。

もしもしナナタンです。疲れ大丈夫ですかア」と・・・。

「あっあのね。私ねチケット」・・・と言いそうになって、慌てて言葉を飲み込んだ。

「ハイッ元気です。もう小樽へむかっているんですう」・・おおーー自分でも

明るく言えたなあっと感心してしまった。

切ると、直ぐに携帯がなった「JTBです、チケット忘れたのですかア」

「ああーーハイ」

「タクシーはそのままお金払わずでいいですよ、飛行機はね、再発行で、

料金払って、再発行証明書貰ってください、そうすれば、お金戻りますから。

大丈夫ですよ、良くあることですから、じゃ、再発行忘れないでくださいね

「はあーーはあーーハイハイ」

マア、シヨウガナイか、見通しがたったので、やっと気分が、良くなってきた。

私の笑顔を見て夫サンもアンドの顔したみたいだった。

「ほんま・・ごめんね」

気がつくと、窓外は雪雪雪。凄い雪になってきた。

右側は海だというけれど、鉛色にけぶっていて、何も見えない。

「もう時期に、運河へ付きますよ」

「もう、小樽ですかア」

チケットに心を捉われている間に、もう一時間も走ってしまって。

運河の傍まで来てしまっていたのです。

 

300メートルくらいの遊歩道を歩くと

大正2年に着工して、13年に竣工したと言う

小樽運河に、石造りの倉庫が姿をうつして、

大正ロマンが、沸々していた。

 

中央橋から浅草橋までの石畳の散策路を、歩き始めると、太陽が顔を見せそうなのに、

雪雲が太陽を覆い尽くして、細かな雪が、フワフワドンドン降り始めたのです。

直ぐ脇は、主要道路だというのに、車の音がほとんど聞こえない。

散策路が少し低い位置にあることと、緑地帯が

設けられているためのようだった。

ちょうど、バスの一団が、通り過ぎた跡だったので。夫さんとゆっくり散策できたのです。

夜は、あのガス灯に灯が点って。この時間と違った美しさがあるのだろうな。

 

浅草橋まで、たどり着くと、多くの人が、運河を

背にして、あっちでパシャリ、こっちでパシャリ

していて。子供は、雪像の上から。

滑り降りていて、「落ちないでねえ」