《 利尻島二人旅 》

 

さようなら・・・・  礼文島。これから私達は利尻島へいきます。

 

 

 9月26日の礼文島の朝は、快晴だった。

これから、船で利尻へ渡り、私達は三日間の島民になる。

ホテルから、香深港 (かぶかこう) 行きのバスを待っていると、一人の男性が、話し掛けてきた。

「これから、利尻島へいかれるのですか」。

「ええ、もう礼文は全部回りましたので、9時55分発の船に乗ります」と応えると

「じゃ、一緒ですね よろしくお願いします」という。栃木県の Gさん だという。

左手さんと私と一緒に「こちらこそ」・・・。

香深港へ着き、乗船券を購入するときに、障害者手帳を提示したら、

二人で一人分の料金、1460円。

乗船者名簿に、住所 氏名 年齢を記入しながら、八丈島へ行く時も 記入したことを思い出した、

さて、困ったな・・荷物が重い。礼文のホテルへは、宅急便で送ってあったのだけれど、

利尻まで自分で持たなくてはならないな・・・。

船に乗り込むのに、ウントコショ ・ ドッコイショ を 私はしなければならない。 

あ〜ぁ ゴロゴロ 転がすわけには行かないし、と想っていたら、栃木県のGさんが、

「持ちましょう」と言って。軽々と持ち上げて、船の2Fのデッキまで、持っていってくれた。

  【 あ〜助かった。 】 深々と頭を下げて、「有難うございます」・・・・。

夫サンも 「すみません」・・。

ぉっと〜 言葉が出ましたねえ。 

(G さんは、むっつり黙っている夫さんを怪訝に想っていたようだった)

「えっとね。 チョット 言葉不自由なんです。 

  失礼があるかもしれませんが、気になさらないでください」

「あっそうですかあ、お手伝いできることしますよ」って・・・。  優しく言われてしまった。

 

やがて、前方に利尻富士が見えてきた。

利尻島のこの山は、見る方角によって、

利尻山・利尻岳・利尻富士と呼ばれるのだという。

船から、空から見たときには、裾野が なが〜く

見えるので、利尻富士と呼ぶのだという。だから、

ここから見た山は、利尻富士なのね。

 

 海がキラキラ光って、海も 空も 真っ青・・ 40分ほどで利尻島の 「鴛泊 (おしどまり) 

フェリーターミナル」へ接岸。G さんは、私達の荷物を下船するまで持ってくださった。  

そして、レンタバイクで、島内を巡り、夕方稚内へ行くという。

手を振りながら  「また何処かの旅の空の下で会いましょう・・・」 と

足早に、レンタカーの店内へ消えていった。

「さて・・どうするかなあ」・・・バスにしようか、タクシーにしようか、迷っていると、

きました きました、観光タクシーの運転手さんが、同年代の運転手さんだった。

「 お客さん観光でしょ、タクシー使って下さいよ」

「今、考え中なの、礼文でね、チョット怖い運転手さんがいたから、タクシー怖いのよ」

「うんだあ〜なあ、利尻は、礼文より都会だから、おっかなかあないよ」と言った。

「えっ・・都会! じゃ、明日も使ったら、勉強してくれるかなあ」

「うんだあ・・勉強するって」

・・・・・ということで。 今日は 半日四時間で 15,000円で、話し合いが成立。

 

鴛泊フェリーターミナルでの、タクシー料金の

話し合いが成立し、利尻島内へ繰り出した。

島には、利尻町・利尻富士町の二つの町が

あるという。

運転手さんは、(この際 宣伝しちゃおうかな。利尻ハイヤーの新浜さんです)

「じゃ、始めに姫沼へ行きますね」・・と急に標準語になってしまった。

「今日の姫沼は、風がないから、いい景色が見られるよ」・・・・と言った。

たいていの場合 【今日は いいですよう】は、観光地の決り文句だもんね、などと想っていたら。

凄い景色だった。

沼には、漣一つなくて、湖面に利尻山がくっきりと姿を落としていた。

「うんだア、お客さん、こんな日は珍しいよ、運がいいね、早く写真を撮った方がいいよう」

私はつられて、

「うんだなあ」って言ってしまった。何枚も何枚もパシャパシャ。

チョット一回りしてくるねえ・・と

夫さんと新浜さんを残して

沼の左手から板の道を歩き始めた。

夫サンも歩き始めていた。

紅葉が、少しだけれど、始まっていて、

沼は、静寂そのもの、団体客もいなくて、

私達三人だけで、

姫沼の静寂を

思い切り抱きしめることが出来た。

 一回りしてくると、沼には漣が立って、もう、利尻山の姿は湖面から、消えてしまっていた。

「絶好のチャンスだったなあ」って新浜さんが、夫さんに話し掛けていた。

二人で、どうにか、話が出来上がっているようだった。

新浜さん・・・夫さんの言葉を 聞き取れたかなあ・・・・。

お腹がすいたなあと、思ったら、もう12時を回っていた。夫サンに「お腹すいたねえ」というと。

お腹をポンポンとたたいて、

「うんまあ」・・・。お腹をポンポンして、まっすぐ前を向いているときは、空腹のとき、

ポンポンたたいて、首を傾げたときは、あまり空腹でないときのしぐさ。

新浜サンが、「うんじゃ。うに丼の上手い所があるので、そこへ行きましょうかあ」と言うので、

「夫サンは好きなのよ、私は何かほかのものいただきます」と応えると・・・。

「うんじゃ。決まりだね、いい店へご案内しますよ」・・・・。

利尻町の沓形に在る 【大漁亭】 古い古い建物で、雲丹がテンコモリで出てきそうなお店だった。

 【大漁亭】 に入ると女将さんが、

「烏賊好きですか〜。食べられますかァ」と突然聴いてくるので、

「ハイ、好きですう」

「獲れたての烏賊があるからサービスしますう」と言った。

茶の間のような部屋に通されて、畳に座ったら、ホット一息つけた。

それほど待たずに、小丼に盛られた烏賊を差し出しながら、

女将さんが 「いかがですかあ」・・・。

「思わず・・凄いしゃれですね」と笑ってしまったら。女将さんは、 「はっ」 だって。

ご自分では、気がつかないで使ってしまったみたいでした。

夫サンは、うに丼、私は、イクラ丼を注文。

ウニを食べて、以前、体調を崩した私は、ウニは大の苦手な食物。

夫サンは「旨い・美味い」・・・とパクパク。

私のいくら丼も、スーパーで゛買うのとは、大違いの甘い味で。イクラの本当の味を味わえた。

「わあ〜美味しかった」・・・本当に美味かったのです。

でも、結構なお値段でしたよ。       う〜んと・・・これで5600円也。