朝の事

 

左手さんと会話すると?いつも分岐点があるのです。

分岐点というよりは、

いつも会話の道筋に追分が出てきて、

右へ左へと二人は歩き始めてしまうのです。

【あのネ。散歩行くのに原っぱの道はあるかないほうがいいわ】

と私がというと。

「うん、>X>X<>X」

【ああ、もう一度、ゆ〜〜くり言ってみてよ】

「ええとね。あのね、凄いんだ」

【ゆっくり言えば分かるのにさあ】

「あそこは、<LMYYXXVXZKLHF?????」

・・・と説明してくれるのだけれど、聴き取れない。

私は、聴き取ったふうを装って、

【でもさ、あそこは私が草を刈るわけに行かないのよ】

「えっなんで」

【だって、あそこはよその土地だもの】

「ええっ、なんでえ・・」と言って、

急に語気を??荒げて・・・また長々説明するのです。

ちーーっともわかりませ〜〜ん。

 

ううっ、チョットと会話がずれているな・・・。いや、相当ずれているわ。

どこからずれてしまったのだろう。と会話をさかのぼってみると、

適当に受けて、返答したとこからでした。

随分言葉を発していたけれど、聴き取れなかったあの時に

左手さんは左へ私は右へと頭の中の風景が別れ、

言葉も分かれていってしまったのです。

そして、左手さんは地図を書き始めました。

くにゃくにゃと曲がった道は、私の話していた箇所を通り過ぎて、

左手さんの地図の道は、クネクネと何処まてもいくのです。

 【チョットすみませんが、私の言っていたのここなんですけど】

と指差すのですが、「はあ〜」と言いながらも、

地図の道はエンエンと延びていって、

大きな木が、畑の囲いが

坂道が、大きな門が、お地蔵さんが・・・。

なんと左手さんの言っていた場所は、墓地だったのです。

あ〜あ。

なんで急にお墓へ話が行ってしまうのよ、私原っぱのこと言ってたのよ】

 

《墓地の草がはえてしまっているかもしれない》・・と

言っていたのです。

こうして書くと短い時間に想われますが、

私がはっきり理解するまで

30分くらい通じ合わない会話を二人は交わしていたのです。

2分か3分ですむことなのに・・・・。

二人とも真剣です。

分からせようと想う気持ちと・・分かりたいという気持ちで・・・。

まるで、漫才みたいでしょ。

私はいつも、左手さんの言葉を「聴きとる」のです。

門の外から【聞き取る】のではなくて、

心から耳を欹てて聴くのです。

これが、左手さんとまあちゃの朝の会話でした。

おしまい!!

 

200.07.02