映画・・陰陽師

 

最近出来た I市の大きな映画館へ急な思いつきで行きました。

この街は10年前に夫サンが5ヶ月間入院していた

病院の在るところです。

10年前とは駅前も道も建物も 

何もかもが 一変していました。

あの頃 歩いた道を下に見ながら、

高架の道を歩いて映画館へ。

 

観たのは「陰陽師」テレビのコマーシャルでは、

オドロオドロした感じだったのだけれど、

伝えてくるものは ズシリと重たいものがありました。

詳しいことはよく分からないけれど。

陰陽師とは・・・鬼・妖怪・怨霊・それらを鎮めて 

闇と光を調和させる者・・だそうです。

千二百年前の平安の時代も現在も 

鬼・妖怪・怨霊・もののけは、うようよと彷徨って 、

人の心の中に 隙あらば入り込もうと

しているのでしようね。

でも、すでに人の心の奥の奥には 

仏と鬼が住んでいるのだそうです。

それが、どんな形で現れるのか  

ワタシシダイ アナタシダイ なのでしょうか。

 

陰陽師・・・ 安部晴明のように何もかもが 

見通せてしまったら、どうなのでしょうか。

森羅万象全てが見通せてしまったら、

怖いです・・・とても・・・。

心に鬼がいて仏がいて

悲しみ 憤り 妬み 

そして 穏やかな心の時があるからこそ

生きていることを実感できるのかもしれませんね。 

主役の野村萬斎の 優雅な舞には魅了されてしまいました。

あれは、狂言の動きなのかな・・・

怪しい美しさがありましたよ。

 

映画館を出て、ふと見上げたら 

建物の間に あのH病院の青い看板が見えました。

「えっあれ あそこに」・・・・。

あの頃は、随分遠くに感じた病院がすぐ目の前にありました。

夫サンに

「あのね、あの3階に5カ月いたのよ 

あの部屋・・・覚えている」と言ったら。

「えっあそこ・・えええーーー」でした。

二人で歩道橋の柵に凭れて、

しばし、H病院の建物に見入っていました。

あの、運び込まれた時の 

救急車のけたたましい音色が

耳の奥を通り過ぎていきました。

夫サンの頭の中、 耳の奥には 

何が通り過ぎたのだろう。

でも、10年後楽しい気持ちで 

二人でこの街を 歩けたことに とても感謝したのです。

 

2001.11.01