桜の花

 

桜の花は、小さな時の思い出に

繋がる花ですね。

母に手を引かれて、学校の門をくぐった。

見上げた空には、桜が満開だった・・・。

そんな思い出は、誰にもあるのね。

 

でも、私は、何故か、入学式の記憶がないのです。

母と一緒に、小学校の門をくぐったのだろうけれど、

少しも、何も覚えていないのです。

教室で、先生が名前を呼ぶ・・・・。

「はーーーい」と元気な声で、返事したのは、覚えているのに、

返事をして、胸元に赤いリボンがあった事は、覚えているのに、

小学校へ行く、道筋が記憶になくて。

母と見上げたであろう、桜の花も何も心の中に残っていない。

 

小学校入学前に行っていた、保育園のことはよく覚えている。

秀雄くんにブランコを取られて泣いたこととか。

砂場で、やっと作ったお城を、石田ケンちゃんに壊されたこととか。

赤い牛の車に乗って「きょうこ先生」が来たこととか。

レンゲの刺繍の、肩下げカバン

レンゲのお花のお弁当箱・・・・。

 

ああ・・そういえば保育園の近くに、足の不自由なお兄さんがいたっけ

あの、お兄さんは、車椅子もないあの頃・・・・。

座るだけのスペースの板に、四つの小さな輪をつけて

杖で漕ぎながら、歩いていた???

保育園の隅っこで、いつも私たちの遊ぶのを見ていた。

丸刈りで、黒い顔をして、

そうそう、黒っぽい着物をいつも着ていた・・・。

 

あの頃、いつも、どうして、板に座っているのか、

とても不思議だった

あるとき、傍へいったら・・・。

お兄さんの足がなかったのです。

それなのに・・いつもニコニコ私たちの遊ぶのを観ていたのですね。

 

こんなに、保育所のできごとを覚えているのに、

楽しい、嬉しい、入学式のこと思い出せない。

何故だろう。

あなたは、入学式の日のこと、覚えていますか。?

 

2002.04.09