手術は

 

眠れるかなと、想ったけれど、消灯時間には、まぶたが自然と落ちてきて

昨夜は、ぐっすりと眠れた・・・・不思議だ。眠れるなんて。

手術は四番手だという。お呼びがかかるのは、14時頃だろう。

吊るされた点滴を見上げながら、昨日までの元気は何処へやら

すっかり病人気分になってしまったのです。

カーテン越しに、Aさんから声がかかった。・・・

「眠れたようね」

「うん、どうやら、疲れていたみたいで眠れたわ」 

 

お昼近くに息子たちが、それぞれ職場から駆けつけてくれたの・・

だから・・夫さんはいない。家で、何考えているのかな・・・・。

ここへ来たいだろうなあ・・・。

14時過ぎ、息子たちの前で、補助麻酔の筋注をされて、

なかば、ボーーットなってしまって、その後は何も分らなくなってしまった。

 

病室のベッドにいるのだろうな・・・。そんな気はしたけれど、

誰かが、顔を覗き込んで、手を握った感触はあったけれど、

朦朧としていて、よく憶えていないのですね。

話によると、手術中に、息子が夫を迎えに行ってつれてきたらしい。

 

暖かな感触は、夫の左手のようだった。

 

すっかり目を覚ましたのは、20時半頃。

手を動かした・・足を動かした・・動く!!  麻痺はしていない。

神経を傷つけてしまうこともあるので、この手術をする時はね。

いつも、麻痺を心配してしまうのです。

 

主治医のH先生がきて、

「目を覚ましましたね、大成功だったよ、良かったね」と

笑顔で言ってくれた。

「ありがとうございます。よかった」

 

色々と、怖いを事を言われたけれど・・何事も無く、終わったんだわ。

はあ〜〜〜と深い息を吐いていると。 

今度は、執刀医のK先生が、相変らずの気ぜわしい雰囲気をもって

病室にきたの。そしてね。

「綺麗に腫瘍は切除しましたよ、思ったより深かったので、

疵は大きいです。何も心配しないようにね。心配しないでいいよ

深く考え込んだらダメだよ】」と例の早口でまくし立てたの。

考えようによれば、この先生の早口にまくし立てるのも

いいことなのかもしれないな。

だって、聴く方も

「うんうん・・はいはい」って早口で返事をするようなのだもの。

 

翌朝、H先生が、消毒に来る。

「どのくらいきってあるの」と聴くと

「このくらいだよ」と言って。ご自分の掌を目いっぱい広げて

親指の先から小指の先の長さを示したの。

「じゃ15センチくらいかな」

「う〜んもうチョイかな。18センチくらいかな」

「随分きったのですね」

「そうですね・・深かったからね、

たくさん切らせてもらいましたよ疵は痛みますか」

「疵は痛くないけれど、左目が痛いのよ」

「アッ腫れてますねえ、手術中に瞳孔を調べるためにまぶたを触るので、

時々、たまに、稀に、菌が入ってしまうときがあるのですよ」と言う。

眼科へ予約をしておきますね・・・。

背部の傷の痛みよりも、左目の方が痛いなんて・・なんともおかしな話。

鏡を見たら、お岩さんとまではいかないけれど、【ブサイク】な目が

鏡の中にあった。

 

それにしても・・眠い

なんて、眠いのだろう。

 

2002.05.15