なぜ怖い

 

地震などでね、よく瓦礫の下で、一週間・・・などという記事を

目にするけれど、もし、まあちゃだったら、きっと一日も

いいや、数時間も持たないような気がするの。

 

閉所恐怖・・・いつから、こんな風になったのだろうか・・・

狭いと感じただけで、ドキドキドキドキしてしまって。

全身が心臓になったみたいになってしまう。

原因・・・それは、自分でも、はっきりと分かっているの。

それは、そう、母が亡くなったあの日から、

いい大人なのにね。

母が亡くなって、心身ともに打ちひしがれてしまっていたから、

余計だったのかもしれないわ。

母を火葬にするとき・・・・母の棺が、

狭い狭い炉なかへスルスルと入っていった、

みんな黙って、見送っていたわ、

ただ、深いため息ばかりが周りに漂っていた。

母の棺が炉の中へピッチリと納まって、

やがて

バシャーンと扉が閉じられた。

その、金属的な扉を閉じる音ともに、何かがまあちゃの中へ

ドーーンと入り込んでしまったのです。

【あんな狭いところへ入れられちっゃて】

【あんな狭いところへ、あんな狭いところへ、あんな狭いところへ】

そんな言葉を繰り返しているうちに、全身が総毛だって着て、

胸が苦しくなってきてしまったのです。

 

母が、一条の煙となって初秋の空へ昇っていくのを観ても、

大空へ逝った、天国へ逝った、広い広い世界へ逝ったのだと思えなくて・・・

心の中へ入り込んでしまった、衝撃を誰にも言えなくて、

あの日から、「狭い・・怖い」が始まってしまったのです。

狭いと感じただけで、バニックになってしまって・・

しばらくは、エレベーターにも乗れなかった。

だらしないなあと想うでしょ。

でもね、時間薬で、どうにか、エレベーターには、乗れるようになってきました。

でもね、一人だとエレベーターやっぱり怖いのです。

笑ってもいいよ。

臆病だなって、笑ってもいいよ。

だって、怖いものは仕方ないものね。

 

2002.0810