お盆

 

あの世との境があいまいになる・・・・・。

そのときと場所を見計らって

祖先の霊を迎え、そして送る・・・・。

そんな言葉を見つけた。

 

お盆の13日になると、

母は、キュウリやナスに四本の割り箸を刺して

仏壇に供えていたっけな。

「この馬と牛に乗ってご先祖様が来るんだよ」

笹とホウズキで、仏壇を綺麗に飾りながら

「さあ、早くご先祖様を迎えに行こう」

そう言って、盆提灯を持ち、ソ゜ロゾロと墓地へ行った。

夏の朝の光の中に

迎え火の煙が、ふわ〜ふわ〜たなびいていて。

迎え火から、蝋燭に火を移して、提灯の中へ入れる。

【さあ、こちらですよ】と

家紋入りの提灯を下げて歩き出す。

すると、母はよく言いました。

「この灯りを消すと、ご先祖様が迷子になっちゃうから、

消さないようにね」

だから、消さないように、そっとそっと歩いたっけ。

そして

16日の夕方、仏壇の灯明から蝋燭に火を移し、

提灯の中へいれ、

ゆっくり歩いて、墓地へ行く。

普段は、人気のない夕刻の墓地は、

送り火で、賑々しかった・・

ある、夏の日母が言った

「こうして、私も迎えられる日が来るんだね」って

遠い遠い夏の日の思い出。

2002.08.13