電 話

 

トルルーーーン

「はい、まあちやです」

「お久しぶりです」

一年半ぶりの細い友の声・・・・・。

「まあ、久しぶりねえ。元気だったあ」なんて言いながら、

ああだ・こうだ・ああでもない・こうでもない・・・なんて

50代の女性同士の悲哀・・・そう悲哀の話なのよねえ。

いつまでも、尽きることが無いくらい話をしたのね。

日ごろ、まあちゃは、声を出して、

あまり話すことが無いので、

いっぱい話してしまった・・・

話し終わってから、

「あーーーさっぱりしたあ」

ペラペラ話すって、やっぱりいいなあ、

なんて思ったりしたのね。

 

そしたら、また・・夜、電話。

九時過ぎに、トルルルーーーーン。

「ハイ、まあちゃです」

「久しぶりです。ご無沙汰してて・・」

まあ、なんと三年ぶりの声・・・・・。

そういえば、

数日前に彼女のこと思い出していたなあ・・

以心伝心てこのことかなあ。

「なんか、話したくなって電話してしまいました」

「うん。。どうしたの?」

でもね、今度の電話は、彼女の話を聴くばかり、

子育て真っ最中の彼女は、家のこと、

子供のこと、夫のこと、

何でこんなに話せちゃうのかなあ・・・

なんて言いながら、

ヒューヒュ・・・なんて、息継ぎしながら、

後から後から言葉を発して・・・。

延々二時間近く、まあちゃは彼女の話を聴いていた。

まあちゃの瞼は、気合を入れて、聴いていないと

くっつきそうに、なってしまったのね。

「うんうん、そうなんだあ〜うんうん」って聴いていたの。

11時近くになった時に・・・・・。

「あっ、もうこんな時間、長くなっちゃってすみませ〜ん」

「ううん、いいのよう、楽しい話だったわあ。

電話とってもうれしかったよん」

いくら長くても・・・

「話・・・聴いてね」って言われると、

なんか、嬉しくなってしまって、

一年半ぶりの友達も、三年ぶりの友達も

前より、数段、明るくなった声で、話していたのよ。

そんな明るい声は、耳に心地よくて。

辛いことがあるのだろうに、声がとっても明るかった。

だから、

まあちゃの頬も自然と緩んできてしまったのです。

今夜あたり・・また数年ぶりの電話があるかなあ。

2002.08.22