でんでん虫

 

喘ぎ喘ぎ、丘への道をたどってみた。

露を含んだ、青い小さな花に、無性に会いたくなって、

早朝、三脚を抱いて、丘の道を登ってみた。

登るのは、苦しいかもしれない・・・でも体力つけなくちゃ。

登りきれるかな、心臓がドツクンドックンいっている

どうしてこうなってしまうのかなあ。

あんなにも、軽やかに、

トントントンと登っていたのに、

愛犬パータまでが、ゼーゼー言っている。

そこまで、まあちゃの真似しなくともいいのに・・・な。

綱を話したら、ヒューーンと駆け出して行ってしまった。

あんなに、元気じゃないの、

あんなふうに、走り出せたらなあ・・・と。

ブツブツ言いながら、

ハァーハァーハァーと、荒い息を吐きながら、

急坂を昇りきって、振り向くと、

山の端から、太陽が、顔を覗かせようとしていた。

あぁ、今日も暑くなりそうだわ。

青いお花・・・露草は、もう少し行った所にある。

あとチョット、あそこまで行けば、一休みできる。

ヨイショヨイショ・・・・・なんで

掛け声が出ちゃうのだろう。

おかしいなあ・・・。苦しいなあ・・・。

 

露草を撮ろうと、蹲ろうとしたとき、モゾモゾと

葉っぱの上を動くものが目に入ったきた。

あっ・・・でんでん虫 !!  大きいなあ〜。

青い花に向けようとしていた、ファインダーは、

急遽、でんでん虫に合わされて、

パシャリパシャリパシャリ・・・。

でんでん虫は、

触覚を目いっぱい伸ばしたり、仰け反ったり、

葉っぱの穴に首を突っ込んだり、

あらゆる姿態をご披露してくれた。

でんでん虫は、必死で、草の葉を食べているようだ。

食べているのかな ? 遊んでいるのかな ?

でも、

のんびり、ゆったり、

動き回っているでんでん虫だったけれど、

必死に生きているって・・・

そんな想いが、でんでん虫から、

じ〜んと伝わってきた。

重い殻を引きずりながら、

体をクネラセテ、葉の上を這っている。

まあちゃが、そっと持ち上げて、

踏んづけててしまえば、

それまでの命なのに、

まあちゃにきずきもせず

必死に食べているようだった。

命を賭けて食べているんだね。。。。

夢中で撮っていたら、

とうとう、24枚のフィルムが無くなってしまって・・・・・。

たたずんで、しばらく、でんでん虫の

動きをじっと見ていた。

空の高さも知らずに、

右回りのグルグル模様の殻をつけて

這うだけの動きの中で、でんでん虫は、生きている。

でんでん虫の命・・不思議な命。

 

 

でんでん虫と言ったり。

蝸牛というけれど。

どっちがとっちなのだろう

辞書で引いたら、

でんでん虫は・・・・「出出虫」が、なまったもので、

蝸牛の異名だ・・・・と書いてありました。

 

2002.09.05