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永久の別れ

 

「母が亡くなった」・・・と、Mさんが言った。

母を失って途方にくれているのだという。

「親は先に逝くもの」・・・ と想ってはみるものの

いざ、その場にも遭遇すると

癒しようの無い深い悲しみに襲われますよね。

80まで生きたからいいとか。

90まで生きたからいいとか、

幾つだからいい・・・そんなこと絶対にないと想うのね。

親を失うということは、耐え難い空虚感に、

全身を包み込まれてしまいますよね。

自分が、もう親なのに、

生きられる時間の半分も過ぎたというのに、

母が逝ってしまったときは、

まあちゃも、呆けたようになってしまったものです。

 

Mさんが言っていたの。

火葬にふされ、

お骨が、コロン、カサッといって、骨壷の中に入ったときに、

「母さんは、死んだ」・・そう想ったと。

そして、

今まで、見て見ぬ振りをしてきたことに、

否応なく対峙しなければならなくて、

右往左往していてたという。

一段落した今、

母が逝ってしまった悲しみが、どっと押し寄せてきて、

どうしようもない虚無感におそわれているのだという。

だから、まあちゃは言ったのです。

天国への階段を昇っている途中なのかもしれない。

黄泉路を極楽へ向かっているのかもしれないね。

「どうぞ高いところへ一日も早く昇って

成仏してください」そう言おう。

こんな言葉では、悲しみは癒されないかもしれない。

でも、他に言葉が見つからなかったのです。

 

考えてみれば、私たちの命は、確かに、父と母の縁によって

授かったのですよね。その源を訪ねれば、

無限の過去へつながっていくのね。

どれだけの命と命が繋がって、今、私がここにあるのかな・・・

そんなこと、ふと想ってしまいました。

 

2002.09.07