30トンとまあちゃ桜

 

 

土、搬入の終了を待っていたかのように、

17時過ぎ、薄闇の迫った空から

雨がしとしと降り始めたわ。

 

広くなった庭、でこぼこした庭に土を搬入して、

平らかにして、花壇でも作ろうと想い、

土を入れてもらうよう手配したのね。

便利屋さんは、2トン車五台分の10トン入れましょう。

そう言ってたのに・・・・。

 

便利やさんとダンプの運ちゃんの会話を聞いていたら、

「もう少し入れたほうが、よかんべえ」

「そうだいなあ・・もう、ちっと、いれて、やんべえよ」

なんて、言っていたのね。

3トン近く積載できるトラックに積まれた土は

なんと、10回も運ばれて・・・

単純計算・・・30トン。

ジョレンを持って、だだ、右往左往するだけの

まあちやは、内心、オロオロしていたのね・・

お〜い予算オーバーだよう・・・(T_T)・・・と想って、

だから・・・・。

二人の会話を思い起こしたの。

「いれてやんべえよ・・・」って言っていたな。!!

ということは、

「いれてあげようよ」って言うことだけど・・・

どうなのかなあ〜 ?

だから、便利屋さんに

「あの、お値段のほうは・・・」と小さな声で聞いたら、

「あっそれがね・・・追加分は15000円貰えばいいって」

「えっそうなの」

「うん・・・昨日、前金でいただいている分で十分だって」

「そうなの・・よかったぁ」

土なんて、値段があるようで、ないものなのね。

 

だんだん、段差がなくなって平らになっていく庭を

見て、あそこをこうしようとか、

斜になった所は、芝桜を植えようとか・・

思いはどんどん膨らんでいったわ。

 

そして、

庭の端のほうに【桜】の木を植えたのだけれど、

穴を掘り終わった便利屋さんは

穴の中に納まった桜の木を持ちながら、

「自分で土をかけて下さい」って言ったのよ。

だから、ソロリソロリと土をかけて桜の木を

埋めていったのね。

三センチほどの太さの桜の木・・・・。

ふっくらした蕾をほんの少し枝先に載せた桜の木・・・

どんどん大きくなって、大木になって、

イッパイ、イッパイ花を咲かせてね。

あなたの名前は「まあちゃ桜よ」

そう、桜木に話しかけました。

まあちやがこの世から姿を消しても、

この「まあちゃ桜」は、

ズットここにとどまって咲いていくのよね。

どんな人たちが見ていくのだろうね。

 

2003.03.16