女の子

 

開け放した窓から、

緑の木々を抜け、カーテンを押し上げながら、

涼やかな風が、ふわ〜ふわ〜と入ってきた。

コの字型に並んだ机に向かっての会議は

13時から始まって延々と続いたのね。

眠くもならずにお話を聴いていたわ。

お話した人の中でね、

とてもスリムな53歳の男性がいました。

マイクを握り第一声を発した・・・・。

まあちゃは、思わず書面から顔を上げてお顔を

まじまじと見てしまったの。

なんて素敵な声 (#^.^#)

低くて、ズッシリしてて、マイクによく通って、

一言一言が、はっきりして、

とても聴き良い声だったのね。

話し方も抑揚があって。。。

引き込まれるように聴いていたわ。

お話はね、暴力的な9罪種といわれる、

強盗・傷害・暴行・脅迫・恐喝・強姦・強制わいせつ・

住居侵入と器物損壊の認知件数が顕著になったきたこと。

そして、その背景に横たわる少年事件。

少年たちの生い立ち等々等々等々・・・。

そんなお話を聴いていたのね。

 

やがて開放されて。。

外へ出たのが16時30分だったわ。

公園を通りかかったら、向こうのほうのベンチに

老人が蹲っていて、傍に少女が立っていたの。

気分悪いのかなと、気になって立ち止まったのね。

少女は老人に話しかけているようだったわ。

まあちゃが見ていると・・少女は、つっと老人の傍を離れて。。

まあちゃのほうの様子を伺いながら、近寄ってきたの。。

まあちゃの傍へきた少女は7歳くらいだった。

真夏に着るような薄い薄い白いワンピースを着て、

素足に汚れた運動靴を履いて・・・

そのワンピースも薄汚れていたわ。

チクリ・・と痛みが胸を走ったのね。

まあちゃは、座って「どうしたの」と聴いた。

「これ、とれちゃった」と差し出したのは、鍵と

使い古したような二つ折りのキーケースだった。

ドアの鍵のよう・・・。

「大事な鍵を持っているのね、お母さんは」

「・・・」

まあちゃは話しかけながら、少女が差し出し鍵を

カチッとケース差し込んだの。

そして、少女の小さなポッケに入れたのね。。

「落としたら、大変よ、クビから下げておくといいのに」

「いつも、こおやってるの」と言いながら、

少女はキーホルダーをポケットの上から

ポンポンと叩いていたわ。

「お友だちを待っているの」とポツリといって。。

まあちゃに擦り寄ってきた。

まあちゃは少女の肩に手を置いて

「鍵・・落としちゃダメよ、気をつけるのよ」

「うん」と大きくコックリした少女の目は、

とても大きくて可愛かった。

 

「じゃあね」と言いながら、

ふとさっきのベンチのほうを見ると・・

もう、老人の姿はなくなっていた。

 

まあちゃは少女から離れたのだけれど、

もう少し、時間的に余裕があったら。。

擦り寄ってきた少女の気持ちを大事にして

ベンチに座って少女と話していたかった。

 

聴いたばかりの少年の生い立ちと、

淋しそうな少女がダブってしまって、

とても気になってしまったのです。

月曜日のあの時間に

あの公園に行けば、

また、少女に会えるかもしれないね。

 

2003.06.03