サバイバル

 

梅雨さなかのドシャブリの中、彼女が来た。

お化粧もせずに、青白い顔で、ピンクの傘を

折りたたみながら玄関に立った彼女は

「電気を止められてしまって。。」と。

顔をあわせたと単に言った。

なんとなく知り合って、時たま言葉を交わす人。

いつも、とても綺麗にお化粧しているのに、

お化粧もせずに、青白い顔、ほつれ毛が痛々しい。

「お風呂もお水のシャワーで、サバイバル生活だったわ」なんて、

ニコニコ笑いながら話している。

「電気が止まると電話も使えなくなってしまうのね」

「まあ、大変だったのね、一言、言ってくれればよかったのに」

「でもね、暗い中での生活も、いいもんだったわ

蝋燭も使ったし、懐中電灯も使ったし、

デモね電気のありがたみ・・・とても分かったわ」

電気代を支払って、パット電気が点いたときは、

こんなに明るかったのかと、

家中を見回してしまったという。

 

彼女は、一人暮らしで、パートでやっと生活している。

三ヶ月電気代を払わなかったために

電気を止められてしまったのだという。

明るいうちに全てを済ませて、暗い中で、

過ごしていたとか・・・・・。

まあちゃの家は、人のいない部屋まで、

電気が点いていることが多いけれど、

電気が点かないってどんな生活なのだろう。

考えても見なかったけれど。。

電気が止められてしまったら、

こんなふうにパソコンだって出来ないし、

それどころか、ご飯だって、手間がかかる。

洗濯だって、エアコン・扇風機・

掃除機・食器洗浄器

換気扇・

あれもこれも、考えたら、如何に電気に頼って

生活していることか・・・。

サバイバル・・・と彼女は言ったけれど、

実際に全ての電気を消して

電気に頼らないサバイバル生活を

一度経験してみようかな。

 

大変な生活をしていた彼女の

話を聴きながら

まあちやは真剣にそんなこと考えてしまった。

 

2003.06.20