額縁

 

左手さんが絵を描き始めて、もう二年が過ぎた。

いいたいこと伝えたくて、描きはじめた絵だったわ。

 

ノートにばかり描いていた絵が、

一枚の絵になっていって、

もう、何枚になったろう。

この間、絵描きさんに

「絵を描いたら、発表することに意義がある」

と言われて、

左手さんはその気になり始めたのよね。

 

今まで、量販店で買った1000円くらいの額に

絵を入れて、いくつか飾っていたのだけれど、

もう少し本格的な額に入れようか・・・・と。

狭山市の額専門店へ行ったみたのね。

 

目指す額のサイズは「太子」。

そしたら、なんと、額の半額セールをしていたわ。

あったあった、定価7000円〜3000円の額が、

ズラーーーッて並んでいて、全部が半額。

これが、半額になるなんて。。超お買い得(^o^)/

これと これと これと これとって沢山買ってしまったわ。

持っていった絵を額に入れ、枠取りをしてもらったら、

見栄えがぜんぜん違うのよね。

ふ〜んいいねえ〜・・・・。(^o^)/

などといいながら、つくづくと眺めてしまったの。

きちんとした額に入れて、枠取りをしただけで、、

こんなにも雰囲気が違ってくるなんて。

絵がニコニコ笑っているみたいだったわ。

お店の女性に「綺麗な絵ですね」って、言われて、

左手さんニコニコ顔だった。

そして、

女性に「えっとね・・あのね」って伝えるのだけれど。

伝わらないみたいで・・・

その店員さんは、そっとまあちゃのほうを見たわ。

通訳のまあちゃは

「右手が不自由なものだから、

左手で描いているのです」って言ったら。

「ええっーー」ってびっくりしていた。

そして、

びっしり書き込まれた文字を読み出してしまったのね。

左手さんは、満足そ〜〜な顔をしてたわ。

美人さんに褒められて、ジット絵を見てもらえて。。

すっごく嬉しかったみたいだった。

 

体が不自由にならなかったら・・

絵なんて、きっと描かなかっただろうな。

失語とか、半身麻痺とか、

失ったものは、とても大きかったけれど、

こんなふうに、

絵を描くということが見出せたこと、

感謝しなければいけないよね。

いずれ、

秋を知らせる冷たい風か吹きはじめたら、

何処か街の小さなギャラリーに、

左手さんの絵を飾ってみようかな・・・・。

とそう、想っているのです。

それまでは、

「廊下ギャラリー」に展示しようと、

まあちゃは額を持って、

家の中をウロチョロ、エロチョロしているのね。

 

2003.07.26