崩れる

 

こんな表現をしていいのだろうか。

でも、まあちゃは、彼女を見ていると

崩れていく・・・そう想ったのです。

まあちゃがとても尊敬している人生の大先輩。

小柄で、色白で、もの静かで、

たった一人で、古い、広い家に住んでいるのね。

ゆったりと人生を歩んでいた?・・・いる?

「一人はいいわあ」ってよく言っていたわ。

その人の傍にいると、

なぜかほっとするものがあったのよね。

母親のような、姉のような、あったかい人なの。

随分前だったけれど、

彼女と

「荒城の月」を二部合唱して楽しんだこともあったわ。

お腹から声を出してぇ・・・って言いながら、

オルガンを弾いて・・・・。

楽しかったな あの時は。

 

その人が言ったの・・・・。

「私おかしくなってしまった、何かが、分からなくなってしまうの」

「誰もいないはずなのに人影が見えたりするし」

「幽霊がでてくるのよ・・・・?? 」

「あっ、頭の中が白くなっていく・・おかしくなる そうおもうのよ」

「一人がいゃなの、誰かが傍に居て欲しいの」

「何で、こんなふうになってしまったのかしら」

そんなことを言うようになって・・・。

お薬の飲み方も、分からなくて

お薬の袋と時計を交互に何回も見たりしているわ。

 

毅然としていた人が、ボーット立っていたり、

ぼんやり座り込んでいる姿を見ると

頭の中の大事なものがガラガラと音を立てて

彼女の体の中へ崩れていく感じがするのね。

 

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脳内検査

 

欝なのか

アルツの始まりなのか

痴呆なのか

医療機関へ行きたがらない彼女の脳の中は

一体、どうなっているのかしら

 

クビに縄を引っ掛けて・・・と

よく言うけれど・・・

静かで、おとなしく見えるけれど。。

なかなか、頑固で。

頑なに医療機関を拒んでいるのよね

 

彼女の年は78歳。

彼女が崩壊してしまわないように。

色々な手立てを皆で考え、

見守っているのです。

 

 

2003.09.11