山の中で

 

あっ、棚田がこんなところにあった。

新聞の片隅に、休耕田になっている「棚田のコスモス」の

写真が載っていたのね。

あっ、いいねえ〜行こうよと

喧嘩していた左手さんを連れ出して出かけたのです。

秩父へ車を走らせること一時間。

頭の中に地図を叩き込んで、

ワクワクしながら行ってみたら・・・

「えっこれが棚田」・・・・・

思い描いていたのとは、まったく違った棚田。

でも,段々にはなっているのよねぇ。

「えぇっ・・・なんだあ〜これが棚田なのう」

という声が聞こえてきたわ。

振り向いたら、女性の三人組。

やっぱりがっかりしているみたいだったわ。

休耕田に植えらた風に揺れるコスモス・・・・

その向こうにそびえる武甲山。

それが唯一の慰めだったのよね。

 

じゃ、遠回りをしてお寺さんを見て帰ろうか・・・と

右へ進路をとって走り始めたのね。

この先で左へ曲がるのだ。

そう、頭の中では、思っていた。

走っている時に左へ鋭角に曲がる道はあったけれど、

頭の中の地図では90度に曲がる道だったから。

そのまま通り過ぎて行ってしまったのね。

道は、だんだん狭くなって、山の中へ入っていくのよ。

紅葉の時期は最高の景色なのだろうねえ〜と

のんきに言っていたのだけれど、左折する道がない。。

ああ、やっぱりさっきの鋭角の所だったのだと思ったけれど、

もうバックもできないし、狭い道で、

方向転換できるスぺースもない。

ただただ、山の中へ上へ上へと

急な坂道が続いているのですね。

いずれ何処かに出るよねえ〜と言いながら、

走っていたら・・・・・。

「あっあっ」と左手さん・・・

「あぁ〜車だあ」とまあちゃ。

ほとんど同時に声を発してしまったのね。

前方から、バキュームカーが来た。

左側は断崖、狭い道。

どうしよう・・・

後ろはカーブだしバックできないし、

向こうがバックするかなあと、止まってしまったら、

こちらへくるのよね。

左手さんが、左側を指差して、寄れというのよ。

少し寄って止まったら、もっと寄れっていうのよ。

おっかないなあ〜ドキドキ。

そしたら、相手の車のお兄さんが、

「あぁそんなに寄っちゃだめだよう〜」

だから、思わず

「オッカナイヨウ〜オッカナイヨウ」って言ってしまった。

お兄さんは,、ニコニコ笑いながら

「大丈夫だよう・・ハンドル戻して、そのまままっすぐ進んで」

「はい」

右側のサイドミラーを閉じて、静々と前に出た。

そしたら

すぐ脇を、車がスルスルスル〜って

通っていくのよ、五センチもなかったわ。

はあ〜〜〜〜だったのです。

 

一体、この道はどこへ行くのだろう。

クネクネした道を

車が来ないことを祈りながら、進んでいったの。

そうしたら、

前方に「県民の森直進」の標識がでてきたわ。

一路、県民の森を目指したのだけれど。

目指すものがあるということは、ほっとするよね。

どこへ出るのか、分からない道はとても不安だものね。

 

そしてね、静かな県民の森でお弁当を食べたのよ。

 

案内図を見たら、知っている峠の名前が出てきたわ。

大野峠・刈場坂峠・奥武蔵グリーライン・・・・(^o^)/

あぁ、この道へ続くんだぁ〜知っているわこの道。

あ〜よかった、此処へ出る道だったのかあ。

そうだったんだあ・・・・・・。(^^♪

そのとき、

迷子になって、不安だったところへ母親が現れたような

そんな、ほっとほっとした気分だったわ。

とにかく、疲れて、

その日は、ヘトヘトのご帰宅だったのです。

今度からは、きちんと地図を見て、

出かけることにしようと肝に銘じました。

2003.10.04