お寺へ

 

午前中から強い日差しの中

あえぎあえぎ坂道を登って行った。

ひたたる汗がなぜか心地よかったけど

心臓はバックンバックン、あ〜体力落ちたな

竹林を抜けるときに一瞬、涼やかな風が髪を揺らし

頬を撫ぜて通りすぎていった。

以前、この竹林を通り過ぎるときには

煩いほどの「セミ時雨だったのに

遠く微かに『ミーんミンミン』と聞こえるのみ・・・。

何故

セミが鳴かなくなってしまったのか、

たった一週間の命を生ききってくれないのか・・・

いつもと違う夏に戸惑いを感じてしまった。

そんな思いを抱きながら、山のお寺へたどり着くと

もう多くの人が集まっていた。

盆供・・・ぽんこ・・・と呼ばれるお盆の行事は、

檀家が、本堂に集ってお坊様と一緒過ごす暫しの時間だ。

 

僧侶の唱える読経が夏空の中へ消えていく・・・。

 

お盆は、

あの世との境があいまいになる時、

そのときと場所を見計らって

祖先の霊を迎え、そして送る・・・・。

あの世との境目が垣間見えたなら

母に会いにあの世とやらへ行きたいな。