そばにいた

 

シンクの下に頭を突っ込んで

奥のほうにしまいこんであった、

蒸し器を取り出してみた。

ついぞ使っていないお鍋。

義母が大好きだった蒸し器。

なんとなく、まだ指紋が残っていそうで、

お鍋をそっと撫ぜてしまった。

これを使ってよくお芋を蒸かしていたなあ。

なんかとても懐かしくなって

しばらくお鍋とニラメッコ。

義母が身に付けていたものを

施設に寄付したり捨てたりして

自分ながら嫌だなって思っていたけれど、

なんのことはない

気がつけば義母と同じような言葉

同じような動作をしているのよね。

30年以上も一緒に居ると、やっぱり似てきてしまうのかな。

新聞を畳の上に置いて、屈みこんで読んだり

あれ、こんな格好をして読んでる

同じ格好だ〜(^o^)

チッョト綺麗な発泡スチロールのお皿を洗っていたり、

残り物の載ったお皿を小皿で蓋をして冷蔵庫へ入れたり

義母さん曰く・・・ラップを使わないで済むでしょ・・・・って

言っていたのよね

一番嫌だったことなのに、知らぬ間にしているのよ。

一番、傑作だったのは、

息子が、お肉ばかりを食べて居るのを見て

「脂っこいものばかり食べてたら体に悪いよ」と言ったら

「若いんだから、活力つけるためいいんだよ」と言った。

言われたとたん

遠い日に、義母が同じことを言い。

まあちゃは同じように応えた

こういう言葉って、年齢が言わせるのかな・・

今になって、あの時の義母の言葉が

身に染みて分かったのよね。

ヤッパリ

異界へ逝ってしまった義母のハルちゃんは

料理下手のまあちゃが心配で

そばに居るんだなって想ったのよね。

 

2005.05.12