雨乞いの池

 

庭の草むしりをしていたけれど、

ふと、見上げたら、吸い込まれそうなほどの真っ青な空。

「あ〜なんて綺麗なのだろう〜」

額の汗を腕で拭きながら・・・・・。

あっこんなことしてないで、ツツジを撮りに行こう・・・・。

思ったとたんに,鎌を放り出して、

yukioをせきたてて、天覧山へ車を走らせた。

さぁ・・登ろうと坂道をテクテク歩き始めて、

真っ赤なツヅシをパシャリとしていたら、

 

 

なんと、yukioは、右手の道へ行くという。

右手の道を行くと天覧山の裏側から、

多峰主山(とうのすやま)へ行く道・・・。

ツツジなんて咲いていない道だわ。

思ったら、思ったように歩き出す人・・・・仕方なく従った。

この道は、何十年ぶりかで歩く道。

鳥の鳴き声と木々をわたる風の音だけ・・・・。

遠くのほうで、子供の笑い声が聞こえる、

父親らしい声も聞こえ、母親らしい声も聞こえた。

 

 

そうだ、このまま、上り下りしていけば

何十年ぶりかで、あの、「雨乞いの池」にあえる。

そうだ・・・歩こう、体調も万全だし、ハーハーゼーゼーも今日はしないし

行きかう人と、「こんにちはあ〜」と挨拶。

山道ならではの挨拶

街中だったら、見知らぬ人と挨拶なんてしないもの。

汗をかくわけでもなく、爽やかな風の中を只管歩いた。

 

 

 

緩やかな坂道を下ったり、登ったり・・・・・・。

あっみえた!!

あ〜懐かしい〜

何年? あ〜おそらく四十数年はここへは来て居なかった。

「雨乞いの池」って、こんなに小さかったろうか・・・・。

もっともっと、、暗くて、もっともっと大きかったような気がするのに

それだけ

あのときのワタシは小さかったということか・・・・・。

ふと、遠い遠い日のオカッパ頭のワタシが甦った。

 

 

山頂にあるというのに、水の枯れた事のない池

昔、人々は田畑の作物が枯れるような干天の日が続くと

この池の周りで、天の雨を乞いながら賑やかに踊ったという。

そして

もうひとつ

鼻をつまみ、息を止めて、この池を7周すると

池の主の大蛇が出てくるという言い伝えがあって、

みんなで

鼻をつまんで、木々の生い繁った暗い池の周りを走ったっけ。

半周もしないのに、苦しくて苦しくて、足を投げ出して

座り込んで、ゼーゼーゼーゼーと喘いだ。

喘ぎながら、暗い池の淵で、あまりの苦しさに、

池の中から大蛇がでてきて後ろにいるような

そんな気がして、ドキドキし泣き出しそうになった。

そんな遠い昔に思いを馳せたワタシの前で。

雨乞いの池は、五月の陽光の下で明るく笑っていた。

そして

山頂では。こんなに素晴らしい景色が待っていたわ。

ほんと・・・・お疲れさんでした。

でも、ひととき、子供に還れたまあちゃなのでした。(^^♪

 

2006.05.03